成り行きは今
見上げた空に浮かんだ文字を読んでいたあの頃
物事の成り行きが 成り行きによって
勝手に進むのだと思っていた
手を伸ばせば
少し前にある柔らかい草を掴めるのだと
背を伸ばせば
少し上にある冷たい雲に触れるのだと
息を伸ばせば
少し下にある熱い海底を歩けるのだと
そういう成り行きで生きていくのだと
だけど 成り行きは今 少し変わったみたいだ
手を伸ばさなくとも
背を伸ばさなくとも
息を伸ばさなくとも
私はそれらを感じることができる
成り行きは今どうしているのだろうか?
まだ そこにあるのだろうか
いま もここにあるのだろうか
そんなの知らない
そして私はまた
空に浮かんだ文字を読んでいた