4時30分
私は映っていないのに
今日もまた
あの人は寒い日も暑い日も素足にサンダルで
小さい川の前で下を見ているんだ
その横を私がシャっと過ぎると
ちょっと遅れて顔をあげる 4:30
「ああ あなたね しってる」って顔で正面 4:33
その眼に映る淋しさが 美しい定めのように強くって
私は逃しはしない 4:34
遠くに何が見えるんだろう 4:36
近くの何を感じているんだろう 4:37
頬に触れる風に何を思うのだろう 4:38
それが知りたくて
私は今日もシャっと脇を過ぎる 4:30
私は映っていないのに
今日もまた
明日には枯れてなくなってしまう花を見るかのように
明日には消えてしまう電球を心配するかのように
明日にはあなたの瞳から「ああ あなたね しってる」
が亡くなってしまうのが怖くって
私は映っていないのに
今日もまた
私はシャっと脇を過ぎる 4:30