mardi 3 juillet 2012

Une lettre de la chaîne

不幸の手紙

鶏が声を裏返し朝を伝え
太陽が馬鹿みたいに輝き
カラスが意味も無くうるさく鳴く
そんな風に普通じゃない1日が幕を開けた
いつもの様に朝刊を取りに まとわりつく犬を蹴飛ばしポストまで行く

ダイレクトメール
市役所からの督促状
閉店セールのチラシ
その中に珍しい手紙があった




不幸の手紙
「この手紙を明日までに20人に出さないと、あなたは不幸になります。」




整理された部屋の中 独り椅子に座り部屋を見上げ考えた

背の高い踏み台
親に宛てた手紙
奇麗に揃えられた靴
天から下がる太い縄

そう 今日は自分にとっと最後の日
自ら命を絶つ日

「この手紙を明日までに20人に出さないと、あなたは不幸になります。」

整理された部屋の中、独り椅子に座り部屋を見上げ考えた
自分には20人どころか1人も知り合いなんていないし
自分には明日なんて無いんだ
明日なんて

「この手紙を明日までに20人に出さないと、あなたは不幸になります。」

訳の分からない奴から 訳の分からない手紙が来て
自分の人生を予測された事に 訳の分からない怒りを感じた

「不幸の手紙」ぐらい自分にだって20人どころか
40人だって50人だって出せるんだよ
馬鹿にしやがって

整理された部屋を片っ端から壊していった
壊れた椅子を見下ろし考えた

自分には手紙だって出せるし 明日だってあるんだ
明日だって

そして夜が来て また朝を待つ自分がここに居る

一通の「不幸の手紙」は整理された自分を壊すハンマーのような物だった
一通の「不幸の手紙」は白くなる為の消しゴムのような物だった
一通の「不幸の手紙」は一通の「幸福の手紙」のような物だった




「この手紙を明日までに20人に出さないと、あなたは幸福になります。」