乗り遅れた運転手
この頃の私は ただ息をしてる
働く気力も無ければ 遊ぶ気力も無い
美味しい物を食べたい訳じゃないけど まずい物を食べたい訳じゃない
それでも 私の体は毎日動いている
気持ちを置き去りにして
まるで運転手の乗っていない電車が ただ燃料があるというだけで
勝手に動いているみたい
乗り遅れた運転手は 駅のプラットフォームに立ちすくみ
ただ息をしている
沢山の電車が止まってくれるけど
そこには既に運転手は乗っていて
私の座れる席は客席しかない
「すみません。わざわざ止まってくれましたが。私は自分の電車を待ってます。」
私の座る席はただ一つ
自分勝手に走り出した電車に私が乗れる時を待つ事にした
その日がいつになるか分からないけれど
あの自分勝手な電車を操作できるのは私しかいない
私の電車が私を必要としている