jeudi 22 septembre 2011

Par delà l'océan

海の向こう側へ

ある男は
田舎に生まれ
田舎に育ち
田舎に暮らし
田舎に飽きて
窮屈になった
寂しくなると
悲しくなると
不安になると
海へ行き
ただ 海と空の切れ目を
眺めていた
どこか 知らない国へ行きたい
そこには 何かがあるのだろう
何があるのか見てみたい
どこか 知らない町へ行きたい
そこには 何もないのだろう
何もなくても それでいい
それが男の夢になった
夢は叶わなくても
持っているだけでもいい と気づいたとき
男は既に歳をとっていた
そして 
寂しくなると
悲しくなると
不安になると
海へ行き
ただ 海と空の切れ目を
眺めていた
どこか知らない国で
自分と同じ様な気持ちで
ただ 海と空の切れ目を
眺めている 誰かが きっといるのだろう
そのとき男は
海の向こう側へ 初めて繋がった様に思った