朝起きたら びっくりした
君が夢に出てきて
何しにきたのかと思った
君は歌を唄い
だいぶ失礼な事を私に言って
だいぶお酒を飲んでいた
私はびっくりしたんだ
久しぶりに会った君は
すごく力があって
いい加減な嘘ばかり言っていた
本当の君は
歌も唄わないし
お酒も飲まないし
失礼な事も言わない
朝起きて びっくりしたから
君が夢に出てきて
何しにきたのかと思ったから
いそいで君に電話をかけた
「何しにきたの」
「何」
「びっくりした」
「だから何」
なんだか君は怒ってるみたいだったから
私は質問をかえた
「歌唄うの?」
「音痴だから唄わない」
「お酒飲むの?」
「気持ち悪くなるから飲まない」
「そうだよね」
「そうだよ」
そしたら今度は君が質問したんだ
「歌唄うの?」
「最近 唄ってない」
「お酒飲むの?」
「最近 酔わない」
「そうだよね」
「そうだよ」
君は何も言わずに電話を切った
私も何も言わずに電話を切った
なんで君はそう思ったのだろう
なんで私は電話なんてしたんだろう
そうだ 君とはだいぶ昔に喧嘩したまま
そのままだったんだ
君はそう
唄わないんじゃなくて 唄えないんだった
飲まないんじゃなくて 飲めないんだった
私はそう
唄えないんじゃなくて 唄わないんだった
酔わないんじゃなくて 酔えないんだった
私達はそう
失礼な事を言わないんじゃなくて 言えないんだった
力なんてない 力なんてないんだった
結局 仲直りしてないけど
また喧嘩みたいなことができて
私は少しほっとした
今度 君が夢に出てきたら
なんて失礼な事をいってやろうかと考えていたら
可笑しくなって 笑いが止まらなくなって
涙が止まらなくなった